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店名も場所も思い出せない、昔訪れたラーメン屋の大将

今週のお題「会いたい人」


会いたい人……家族や友人、好きな有名人、まだ顔を合わせたことの無い会社の同僚達など、誰について話せば良いのか迷ってしまいます。みなさんはどうでしょうか。私は今回、ある田舎で訪れたラーメン屋の大将について、昔の記憶を最大限に引き出して書き記していこうかと思います。

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当時まだ小学校の2~3年生くらいでした。親がまだ若かったということもあり、アウトドアが好きなうちの家族は週末に3時間くらいかけて、よく釣りに行っていました。スマートフォンやカーナビではなく地図を使い、迷いながら移動をしていたのを覚えています。その日もウロウロしながら帰路についており、田舎の国道沿にぽつんと営業している一件のラーメン屋さんを見つけました。ラーメン大好き少年だった私の嘆願もあり、少し遅めのお昼ご飯をこのお店で食べることになりました。


田舎ならではの広い駐車場に車を停め、少し古びた店内に入ります。店内は来来亭のような感じでカウンター席と座敷に分けられていました。座席の壁際には本棚が沢山あり、そこに大量の漫画が並べられていたのを覚えています。来店した時間帯のせいかもしれませんが、店は大将1人で切り盛りをしており、お客さんはほとんどいませんでした。




この店の大将は少し無愛想な、癖のあるラーメン屋のオヤジといった印象でした。大人の私が来店してたら、特に関わることも無くラーメンを啜って帰っていたのでしょう。



しかし、そのような印象に反して、ここの大将はラーメンを持ってくるときやお会計のときによく話しかけてきました。
当時マルコメくんのような頭をしており、THE・元気な子供だったので、大人に話しかけられることは多かったのですが、大抵、笑顔で優しい声で話しかけてきます(今やると不審者認定されそう)。
一方で、この大将はとても無骨な感じで淡々と喋ってきたのが記憶に残っています。とにかく一言で、「おう、坊主、何歳だ?」「うまかったか?」とか聞かれた気がする。



お世辞にもコミュニケーションが上手な人には見えなかったので、子供ながらに「なぜこんなに気に入られているんだろう」
と疑問を抱いていました。大きくなってから考えて直してみると、店内の本棚にある「特攻の拓(ぶっこみのたく)」に反応して「とっこうのたくがおいてる!とっこうのたくがおいてる!!」と騒ぎまくっていたのがきっかけだと思います。

特攻の拓は横浜の暴走族を題材にした漫画です。鰐淵さんや一条武丸のコラ画像をみたことがある人はいるのではないでしょうか。内容に加え、連載時期が私の親世代であり、小学校3年生の子供がこれを知っているのはかなりのインパクトでしょう。年齢にかかわらず、自分の好きなものを他の人が知っているといい印象を持ちますよね。

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参考画像:特攻の拓





親が話す昔話のエピソードで上記の話がよく出てくるので自分の中でも大切な思い出になっています。いかんせん小さくて記憶が曖昧なので、この辺りの記憶を鮮明に思い出したいというのが、この人に会いたい理由です。最後に無言でガツンとみかんを持ってきてくれたときの情景しか鮮明に思い出せません。物心ついてから行こうと画策していたのですが、親は詳しい場所を覚えておらず、自分も店名を覚えていないため、どうしようもありませんでした。昔のアニメキャラクターの名前で、何ともいえないポップさと渋さを醸し出していた気がするのですが、ネット検索では一向にヒットしません。


もう15年以上も前の話なので、潰れてしまっている可能性は高く、大将が存命しているのかも分からないのですが、仮に店を見つけた時のことをよく考えます。


同じように夏の季節に釣りに行き、帰路の途中で来店し、ラーメンが出てくるまで特攻の拓を読み、大将の姿を遠目に見ながら少し背脂の多い醤油ラーメンを啜る。店から出た後はコンビニでガツンとみかんでも買って、車内のクーラーをガンガンにしながら帰る。



そんなことがしたい今日この頃。